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本当にいい医師とは

 しばらくぶりです。書くネタもなく、さぼっていましたが少し書きたいことができましたので更新です。
 医療の中で整形外科が担当する分野は生命に関わることがあまりなく、痛み・しびれといった訴えを担当することが多くなります。骨折や外傷となれば治療のめども言いやすいのですが、加齢に伴う骨関節の変化によって生じる症状はどうしても慢性化しやすく、目処もたてにくく、治療を続けて治るのを待ちましょうという説明をすることが多くなります。色々ある治療法の中で最終手段として手術があるわけですが、よほどの悪い所見がない限り私のほうから手術を勧めることは普通ありません。手術には「絶対的適応」(手術をしなければ確実に悪い結果になる、あるいは生命に関わる)と、「相対的適応」(必ずしも手術が必要ではないが、他の方法を色々行っても改善が得られない、あるいは悪化する。もしくは患者さんが手術を受けたいと希望される)があります。整形外科で行う手術の場合は、私の考えでは8割以上が「相対的適応」の手術と考えています。
 過日私のところに来られた腰椎圧迫骨折後の患者さんの話をします。その方は70代の女性ですが非常に活動性の高い方で、階段から飛び降りた際に腰椎圧迫骨折を受傷してしまいました。骨折は幸い治ったのですが骨折後の変形による坐骨神経痛が出現し持続。最初に行った病院ではしっかり運動をしていれば徐々に治る。まず運動をしなさいと指導を受けました。でも痛みが我慢できず別の病院へ行ったところ、「手術をすれば治るからやりましょう」と最初からいきなり言われ、患者さんは「手術をすればこの痛みから解放されると先生が断言してくれたから思い切って手術を受けよう」と判断し、手術を受けられました。結果、一旦痛みは取れたものの数ヵ月後に再発してしまい、それを手術した医師に訴えても、「なんでやろうねえ」としか言われず、ただ痛み止めの薬をだしてくれるだけだといいます。さらには「もうできることは他にないから」とまで言われたそうです。
 私はこの先生のことを知っているのですが、昔から手術が好きで、こちらが聞かなくても年間何百件と手術をしているんだ、と自慢してくるような方です。数をこなしているから確かに手術の腕はいい。でも手術をすることが目的であって患者を心底から治そうという気持ちの伝わってこない方です。マスコミや雑誌の特集で「名医特集」とか、「本当にいい病院」とかよくやっていますが、ああいうのは手術の件数が多いだけ、あるいは雑誌会社に掲載料を払って載せてもらっている(要するにただの広告です)というのがほとんどです。それだけの手術をして、その結果どれだけの患者さんが本当に満足しているのか?そんな記事を私はいままでみたことがありません。なぜか?手術をたくさんしている先生は、それだけ忙しいわけです。手術に。ですから術後の患者さんの面倒を見る時間がない。術後は他の医師や病院で、となります。だから「名医」に患者さんの満足度を聞いても答えられない。私はそう思っています。もちろん手術をたくさんしているということは、信頼できる医師としての重要なバロメーターであることは疑いがありません。ではそれに加えて本当にいい医師を選ぶためには何をみればいいのか?私の考えを述べます。
1. いきなり手術を勧めない。
前にも書いたとおり、手術はいろいろある治療法の中で最終手段となるべきです。「絶対的な適応」のない場合にいきなり手術を勧めてくる医師は信用できません。
2. 手術の危険性、デメリットをちゃんと説明してくれる。
手術をやりたがる医師は患者さんに手術の危険性、デメリットの話をしません。なぜならおきうるデメリットを全て説明すれば「絶対的な適応」のない患者さんが逃げてしまうからです。
3. 術後の診察を約束してくれる。
手術しか興味のない医師は手術が終われば患者さんには興味がなくなります。時間がないことを理由に他の医師に担当を回そうとします。術後もある程度よくなるまで手術した医師が診てくれるのか。状態が悪くなった時にちゃんと診てくれるのかどうか。それもポイントとなるでしょう。
 こんなところでしょうか。ずっと書いてきて自分のことを考えたとき、こんな偉そうなことを書いていいのか?と思ってしまいます。アップするのをやめようかと思いましたが、前述のような患者さんがなるべく減るように、また自分への戒めとしてあえてアップしようと思います。

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